Never Fail

下記テーマにつき、日々の経験・学習・思索を発信。皆さんの知的刺激や上手く生きるヒントに…なるかなあ。

分かりにくい「センス」との付き合い方

f:id:beh1st:20171217082601j:plain

さて、本日のテーマは「センス」について。
僕は法人営業の仕事をしていますが、上司は口癖のように「センス」を連発します。

「営業なんだからさー、ほら、いつでもセンスを磨かないと。」
「お前はセンスいいから大丈夫だよー。」
「大丈夫、そのセンスがあれば何とかなる。」

また、昨今のインスタ映え文化の中で、「センス」は改めて重視されている言葉だと思います。「センスがいいね!」と言われれば嬉しく、「センスない!」と言われれば、冗談でも悲しいですね。

このように「センス」は、よく使われる言葉ではありますが、一方で、大変分かりにくい言葉でもあります 。

「センスって何??」「どう理解し行動すればいいの?」そんな答えを探るためのヒントになればと思い、「センス」という言葉の正体を探りつつ、何で分かりにくいか、どう付き合えば良いかを考えるというエントリーです。

センスとは何か

まず、額面通りの定義から見てみましょう。

-------------

ウィキペディア
英語で五感の意味。転じて、美的感覚や感性のこと。才能と似た意味である。

コトバンク
1.物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。「文学的なセンスがある」「センスのよくない服装」「バッティングセンス」
2.判断力。思慮。良識。「社会人としてのセンスを問われる」

ニコニコ大百科
日本で「センス」と言えば「センスがある」「センスが良い」などの使い方が有名である。
「センスがある」と言えば「判断力が優れている」「物の微妙な見極めができる。」「感覚が優れている」「細部の違いまで理解できる」のような意味で使われる。
「服選びのセンスがある」と言えば「良い服を選ぶ能力がある」「他人にはない服選びの才能」「上手に服を選ぶことができる」のような雰囲気で使われる。
「彼は料理のセンスが無い」と言った場合は「料理を作るのが下手くそ」「料理の才能が無い」などの意味合いが含まれている場合が多い。
-------------

大きく分けると、

1.感性
2.才能
3.選別力(判断、良識)

といったところでしょうか。それぞれ考えてみます。

感性

また難しい言葉です。哲学的には別の意味もあるようですが、一般的な意味として、以下としましょう、

-------------
デジタル大辞泉
物事を心に深く感じ取る働き。感受性。「感性が鋭い」「豊かな感性」
-------------

ここで、実際の利用シーンを考えてみますが、「あいつ感性が鋭いよな」と言うときは、「芸術的」「個性的」「独特」、すなわち、「一般人の俺にはちょっとよくわからないけど、なんかすごいっぽいよな」という意味が込められているものと思います。

つまり、何かについて、他の人とは違った物の見方をし、違うように感じ取り、表現する能力と言い換えられるでしょうか。通常使うセンスとは、少し違う意味のように感じますね。

才能

「サッカーセンスがある」「料理のセンスがある」「センスがいいから何をやってもうまくいく」などがこれに該当するでしょう。才能に言い換えて文意が通じるので、分かりやすいですね。

一方で、「絵を描くセンスがある」「笑いのセンスがある」等の場合はいかがでしょう。この場合のセンスは、「才能」と理解することもできますが、「感性」とも言えそうです。芸術に関わる文脈だと、両方の意味で活用できるということでしょうか。これは言い換えれば、

 芸術における才能=感性

と考えても良いかもしれませんね。

選別力(判断、良識)

「服のセンスがいい」「センスのいいお土産」などがこれに該当するでしょう。社会や周囲の人が、「いい」と思うものを選び取る力 のことです。もう少し踏み込めば、「いい」とは、社会や周囲の人が「いい」と賛成してくれるものですので、 それが分かるということは「良識」がある、ということになります。

冒頭の上司の言葉も含めて、仕事で使うセンスはこちらですね。

センスのいい資料
⇒ 読み手が良いと感じるメッセージや構成やデザインを選択した資料

センスのいい営業トーク
⇒ 状況にあった言葉や対応を選び取り話すこと

センスよくやっておいて
⇒ 状況を判断して、俺が納得するように、いい感じにうまくやっておいて

1つ難しいのは、「いい」は受け手によって定義が変わる言葉であることです。つまり、「感性」や「選別力」における「センスがいい」は、完全に主観的な言葉であり、「センスがいい」かどうかの評価は、人や時代によっても変わります。

「今の私は、これが好き」くらいの意味で捉えるべきでしょう。 

「センス」が分かりにくい理由

 以上より、センスとは、

① 感性
② 才能
③ 選別力(判断、良識)

の意味があり、以下の性質があることが分かりました。

・①と②は、芸術的な文脈に使うと、同じような意味になる
・①は周囲の人が一見理解しずらいもので、③は受け入れやすいもの。
・①や③は主観的な言葉で、言う人や時代によって評価が変わる。

つまり、同じ言葉なのに似たような3種の意味があり、かつ、その中には真逆の使い方もあり、さらには受け手次第で有無の判断が変わる。そのために、捉えどころのない言葉となっているのですね。 

「センス」との付き合い方

以上を踏まえると、「センス」という言葉に対しては、「自分がどの意味で使っているのか」及び「相手にどんな意味で使われているのか」を考えて、接する必要がありそうです。

例えば、「センスがない」と言われたときにも、「才能(先天的、生まれつき)がない」のか、「選別力(判断力、良識(後天的に獲得可能))」と言われているかで、大分意味合いが変わりますよね。自分が取るべき対策も変わるものだと思います。

僕の経験からすると、「選別力(判断力、良識)」の文脈で使われることが多く、努力で逆転可能な「センス」を問われることが多いように思います。

ここまで分析出来ていれば、「お前センスないなー」と言われたとしても下手に落ち込むこともなく、「相手の指摘が的外れだな」「こうやって克服して「センス」を身につけよう」と前向き捉えていけるのだと思います。